社員の声を「聞く」ではなく「聴きに行く」- 会社の主役は社員 –

経営者が大切にすべきことの一つは、社員の話を「よく聴くこと」だと言われます。
けれどもここでいう「聴く」とは、ただ受け身で耳を傾けることではありません。
自ら積極的に社員のもとへ行き、話を聴かせてもらう姿勢が重要です。

1. 聴きに行く姿勢が信頼を生む

経営者が自分から話を聞きに行くと、社員は心を開きやすくなります。
「実はこう思っていた」「こんな悩みがある」「こんなことを聞きたかった」といった本音が出てくるのです。
その対話の中で誤解が解けたり、方向性を共有できたりと、自然と信頼関係が築かれていきます。

経営者と社員の間で言葉を交わすこと自体が、信頼関係の土台を作ります。
対話は「疑念を解消し、納得を生む」プロセスでもあります。

2. 納得が生まれれば行動が変わる

会社の方針や決定事項に対して、社員が心から納得しているかどうか。腑に落ちているかどうか。
ここが大きな分かれ目です。本当に大切なこと。
経営者の言葉を直接聞き、自分の疑問を伝えられた社員は、会社の意図を理解し、より前向きに行動できます。
その結果、日々の仕事にも深い納得感が生まれ、パフォーマンスが上がるのです。

経営者が説明し、社員が理解することで、会社への納得感が高まり、行動の一貫性や意欲が生まれる。

3. 会社の主役は社員

忘れてはならないのは、会社の主役は経営者ではなく社員であるということ。
もっと言うと、お客様よりも社員だと考えています。
経営者の役割は、社員が気持ちよく働き、力を発揮できる環境を整えること。
そして、資源(人・物・金)を確保し、進むべき道を示す。
それが経営者の仕事です。

実際にお客様と直接向き合ってくれているのは、社員です。
その社員が気持ちよく働けなければ、当然お客様へのサービスの質は低下し、会社の業績も一緒に下がっていくでしょう。離職率やキャリア形成などの話にもつながっていきます。

余談ですが、私の会社では、上下関係という言葉は使わず、前後関係という言葉で立場の違いを表現しています。

経営者は支配者ではなく、社員が輝くための舞台監督である。

4. 対話がつくる「強い会社」

社員との対話を重ね、信頼関係を築き、お互いの納得感を大切にする。
その積み重ねが、組織を強くし、業績を押し上げます。
数字の前に「人」がある
経営とは、社員一人ひとりの声に耳を傾けることから始まります。


社員の声を聴く → 信頼が生まれる

信頼が生まれる → 納得感が生まれる

納得感が生まれる → 行動と成果が変わる

成果が出る → 会社が成長する

つまり、「人を中心にした経営」こそが、持続的で健全な成長の鍵です。


社員の声を聴きに行く経営者が、会社を強くする。



私は実体験から強くそう感じています。

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