いま話題の「関税」の正体って?

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関税(かんぜい)」という言葉を聞いたことがありますか?

最近はアメリカのトランプ大統領の発言などでもニュースで話題にあがりますね。

「うーん、なんとなく税金なのは分かるけど、説明してと言われると、、、」

ニュースや社会の授業で出てくることがありますが、ちょっと難しそうに感じるかもしれません。

ここでは、関税がどんな意味を持つのか、そして私たちの生活にどのように関わっているのかをわかりやすく説明します。

関税って?

そもそも、「関税」とは外国から入ってくる商品にかけられる特別な税金のことです。

例えば、日本に対してアメリカからオレンジが送られてくるとします。
そのオレンジを日本で売るためには、決められたお金をアメリカは日本に払わないといけません。

イメージとしては、外国の商品が日本の国境を越えて入ってくる時に、国が「ちょっと待った!これを通すなら、このお金を払ってね」と言って徴収する通行料のようなもの。

これが「関税」です。

誰がその関税を支払うの?

この税金は、商品が外国から入ってくる時に輸入者となる人(あるいは会社)が支払います。
輸入者とは、外国から商品を仕入れて、それを日本で売る人や会社のことです。

なぜ関税が必要なの?

関税が必要な理由は、主に3つです。

国内の産業を守るため

もし外国から安い商品がたくさん入ってきたら、日本で作られているもの(食料や工業製品など)が売れなくなってしまうかもしれません。

例えば、外国からすごく安いお米が大量に入ってきたら、日本の農家さんのお米が売れにくくなり、農家の人たちが困ってしまいます。

そこで関税をかけることで、外国の安い商品が簡単にたくさん入ってくるのを防ぎ、日本の農家さんや工場などを守る役割があります。

国の収入を増やすため

関税として集めたお金は、国の予算として使われます。

例えば、道路や学校を作ったり、災害があったときに助けるためのお金になったりします。

つまり、関税は国のお金を集めるための大切な仕組みの一つでもあるのです。

特定の商品の輸入を制限するため

例えば、環境に悪いものや、人々の健康に良くないものが外国からたくさん入ってくるのを防ぎたい場合にも、関税を高く設定して輸入を減らすことがあります。

関税の税率ってどのくらい?(関税率の目安)

関税は、ほとんどすべての輸入品にかかる可能性があります。

私たちが普段使っているものだと、次のようなものに関税がかかっていることがあります。

品目によって関税の割合(税率)は異なり、ものによっては関税がかからないものもあるんです。

  • 食料品
    • 牛肉38.5% など。国や種類によって変わります。
    • 豚肉:高いものだと豚肉1kgあたり524円(基準価格未満の場合)など。安いものだと豚肉1kgあたり48円など。
      *牛肉や豚肉にはおよそ10%〜40%の関税がかかっています。
    • 小麦:飼料用で1kgあたり55円、その他は1kgあたり65円など。これは輸入価格に応じて調整されることが多いです。
    • 砂糖:1kgあたり21.50円~103.10円など、種類によって幅があります。
    • お米:非常に高い関税がかかっています。1kgあたり341円など。これは外国産の安価なお米の輸入の抑制や国内のお米の値段を安定させるためです。
    • チーズ29.8%〜40% など。種類や用途によって異なります。例えば、プロセスチーズの原料に使われるものは関税がかからない場合もあります。
    • ワイン:基本的に無税になっています(EUやチリなどとの協定)。以前は1リットルあたり約94円などでした。スパークリングワインも無税です。
  • 衣料品4.4%〜20% 程度。シャツや肌着は7.4%〜10.9% など、素材や種類によって細かく分かれています。
  • 工業製品
    • 自動車:日本では原則無税です。日本は自動車の関税を早くから撤廃し、自由に輸入できるようにしています。しかし、国によっては(例えばアメリカのトラック25%、中国の完成車15%など)自動車に関税をかけているところもあります。
    • 電化製品:多くの家電製品は無税です。世界的な貿易協定(WTO情報技術協定など)によって、多くの電子機器や半導体関連部品は関税がかからないようになっています。
    • 部品:品目によって異なりますが、多くの工業製品の部品は無税化されています。
  • その他
    • 家具:多くの家具は無税ですが、革張りの腰掛けなど、一部の特殊な家具には4%前後の関税がかかることがあります。
    • おもちゃ:原則無税です。2017年から、ほとんどのおもちゃの関税が撤廃されました。
    • 化粧品:基本的に無税です。ただし、化粧ブラシなどの関連品には6.6%などの関税がかかることがあります。個人輸入の場合、合計金額によっては消費税がかかることがあります。

私たちの生活にどんな影響があるの?

関税が高いと、外国から入ってくる商品はその分値段が高くなります。

たとえば、もし外国から輸入したチョコレートに関税がたくさんかかっていたら、お店で売られるときに高い値段になります。

逆に、関税が低いと、外国の商品が安く手に入るので、消費者にとってはうれしいこともあります。

さらに、関税は外国との関係にも影響します。

もしある国に対してとても高い関税をかけると、その国は怒って日本の商品に高い関税をかけ返してくることもあります。(一般的に報復関税と呼ばれています)

そうなると、日本の商品が海外で売れなくなってしまうので、貿易(国と国の間の商品やサービスのやりとり)ではお互いの関税の決め方がとても重要になるのです。

自由貿易協定とは?

最近では「自由貿易協定(じゆうぼうえききょうてい)」という仕組みもあります。

これは、特定の国同士で「お互いに関税を少なくしようね」と約束することで、もっと自由に商品を売ったり買ったりできるようにする制度です。

これによって、私たちは海外の安くておいしい果物やお菓子などを安く買えるようになることがあるんですね。

まとめ

このように、関税とはただの税金ではなく、私たちの暮らしや物の値段、そして日本の農業や工業、さらには外国との関係など、いろいろなところに影響しています。

普段スーパーで並んでいる輸入の果物やお菓子、あるいはゲーム機や服など、たくさんの外国製品がありますよね。

それらの値段の中には関税が含まれていることも多いのです。

そう考えると、関税は私たちの生活にとても身近な存在だと気づけるのではないでしょうか。

これからニュースなどで「関税」という言葉を聞いたときは、「あの商品が高いのは関税がかかっているからかな?」「日本の農家さんを守るためにあるんだな」と考えてみると、社会や経済の仕組みがきっとわかりやすくなると思いますよ!

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